2012年10月18日
Brown Remodeling of White Adipose Tissue by SirT1-Dependent Deacetylation of Pparγ
Brown Remodeling of White Adipose Tissue by SirT1-Dependent Deacetylation of Pparγ.
Cell, 2012
褐色脂肪組織(BAT)は蓄積されたエネルギーを熱として放散するため、白色脂肪組織
(WAT)を褐色様形質に転換させること(browning)は、肥満の重要な治療戦略となり
うると考えられる。
本研究によって、脱アセチル化酵素SirT1は、WATの褐色化を促進することが分かり、
それは、PparγのLys268とLys293の脱アセチル化を伴うことが明らかになった。この
SirT1依存性のPparγ
るPrdm16のPparγへの結合にも必要であった。さらに、Pparγが脱アセチル化されると
BAT遺伝子(Brown genes)の発現が増加する一方で、インスリン抵抗性をもたらす
WAT遺伝子(White genes)の発現が抑制された。また、脱アセチル化が起こらないよう
なPparγ変異体は白色脂肪細胞にWhite genesの発現を保持し、Brown genesの発現変化は
見られなかった。以上より、SirT1依存性のPparγの脱アセチル化は白色脂肪細胞の褐色化
をもたらすことが明らかになり、このことが肥満治療に有用である可能性が示された。
担当:阿部