2012年9月27日

Transcript Dynamics of Proinflammatory Genes Revealed by Sequence Analysis of Subcellular RNA Fractions

Transcript Dynamics of Proinflammatory Genes Revealed by Sequence Analysis of 
Subcellular RNA Fractions

マクロファージを Lipid-A 炎症刺激することによって駆動される遺伝子群の転写産物につ
いて、クロマチン・核質・細胞質の各細胞内局在に分類した上で、RNA-seq 解析を行った。
この手法によって、新生転写産物と成熟 mRNA を区別して、詳細な転写プロセスや RNA
ダイナミクスの解析を行うことが可能となる。
本解析結果では、NFKB1 や Il12b などの遺伝子において、5'から 3'の遺伝子全長にわたる
イントロン部位 RNA がスプライシングの完了するまでクロマチン近傍に残存しており、
poly(A)で切断されているものが多く存在した。
その一方で、核質や細胞質では、クロマチン近傍の転写産物が確認された後、時間差をあ
けてスプライシングの完了した mRNA が蓄積されていた。
この結果は、少なくともこの細胞においては、RNA ポリメラーゼによる転写が終わった後
にスプライシングが起こる可能性を示唆している。
さらに、発現パターンの近い遺伝子クラスごとに、クロマチン修飾や RNA ポリメラーゼの
位置と CpG・LCG プロモータとの関連性の解析も行った。
ここでは、CpG アイランドプロモータを持つ遺伝子群は刺激後すぐに誘導され、かつ一過
性の発現に終わるものが多いが、LCG プロモータの遺伝子群は刺激後二次的に誘導され、
他の遺伝子群より強い発現量を示すということがわかった。

担当:大田