2011年8月 5日

抗癌剤耐性を克服する新しい細胞死のメカニズムを解明

LSBM血管生物学分野、システム生物医学分野の大澤毅特任助教、及び英国ロンドン大学癌研究所(University College London)、英国癌研究所(Cancer research UK, London Research Institute)らは、DNAを架橋するタイプの抗癌剤においてDNA修復不全と未成熟な細胞分裂(4n)からp53に依存しない新しい細胞死が誘導 されることを見出した。

抗癌剤耐性は問題であり、DNA修復は抗癌剤耐性の主要な機構である。ヌクレオチド除去修復(NER)のERCC1や相同組み換え修復(HR)の XRCC3が抗癌剤耐性の一因であるが、これらの欠損細胞株においては、巨核と未成熟な細胞分裂を伴う細胞死が起こらないことを見出した。以上の知見は、 抗癌剤耐性を克服する一つの戦略につながる可能性を示す成果であり、2011年8月4日付けでCell Death and Diseaseに掲載された。

Osawa T, Davies D, and Hartley JA.
Mechanism of cell death resulting from DNA interstrand cross-linking in mammalian cells.
Cell Death and Disease, published on line Aug 4, 2011.

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