2011年5月26日

A Rapid, Extensive, and Transient Transcriptional Response to Estrogen Signaling in Breast Cancer Cells

乳癌細胞株におけるエストロゲン刺激に対する迅速で広範な一過性の転写レスポンス
Cell 145, 1-13, May 13, 2011

<SUMMARY>

・GRO-seq で nascent RNA の生成ダイナミクスを観測した

・ホルモン刺激に反応して迅速に、かつ一過性の転写が起きる

・その転写反応はあらゆる種類の RNA を含むものである

Figure 1. MCF-7 における E2 応答性トランスクリプトームの GRO-Seq による観測

(A) 実験プランの scheme(MCF-7 を E2 刺激し 0, 10, 40, 160 分後にサンプル回収し GRO-Seq)

(B) 特定 locus における GRO-Seq (刺激 0, 40 分後) および Pol II ChIP-Seq (0, 60 分後) シグナル

(C) GRO-Seq シグナルから転写産物を隠れマルコフモデルで detection すると RefSeq とよく一致

(D) 転写産物の内訳(Annotated, Antisense, Divergent, Enhancer, ERα binding site, Intergenic, Others)

Figure 2. MCF-7 のトランスクリプトームのうち、相当数がエストロゲンの制御下にある
(A) E2-Regulated 26% (6003), Nonregulated 74% (16,890)

(B) E2-regulated transcripts 全体での Upregulated or Downregulated 時間別内訳

(C) 転写産物クラス別の時系列ヒートマップ

(D) 転写産物クラス別の Upregulated or Downregulated 内訳

Figure 3. GRO-Seq の結果から、E2 による制御パターンは4つのクラスに分類できる

(A) E2-regulated RefSeq genes の時系列ヒートマップで4つのクラスが見られる

(B) 各クラスの発現量推移の時系列折れ線グラフ

 1:下がる群、2:10 分で最大になりあと下がる、3:40 分で max、4:160 分まで上がり続ける

(C) 各クラスの発現 Fold Change の箱ひげ図

(D) GRO-Seq での Fold Change と Microarray での Fold Change の相関(ρ=0.75)

(E) GRO-Seq の結果で作った発現量推移のグラフと qPCR の結果で作ったグラフの比較

Figure 4. E2 依存転写のダイナミクスを GRO-Seq で観る

(A) 4クラスそれぞれの TSS 周辺での GRO-Seq シグナルの時系列変化

(B) 発現上昇遺伝子 JARID2 で見られる Pol II wave の "leading" edge

(C) 発現減少遺伝子 ESR1 で見られる Pol II wave の "lagging" edge

Figure 5. E2 に制御される miRNA 遺伝子群

(A) E2 依存の miRNA 群の時系列ヒートマップ

(B) miRNA 個々の GRO-Seq シグナルの例

(C) TargetScan (miRNA のターゲット予測プログラム)でターゲットと予測される遺伝子の内訳

(D) 上昇した miRNA 群と低下した miRNA 群の時系列グラフ

Figure 6. E2 は Pol I ないし Pol III による転写も制御する

(A) 45S rDNA (by Pol I) と tRNA (by Pol III) 発現の E2 依存 Fold Change 時系列グラフ

(B) tRNA 群の E2 依存性変化の時系列ヒートマップ

(C) tRNA・rRNA の生合成に関わる蛋白をコードする遺伝子群の E2 依存性変化の時系列ヒートマップ

(D) rDNA 遺伝子座における GRO-Seq シグナルの時系列変化

Figure 7. E2 標的遺伝子のプロモーター領域に ERα 結合部位がエンリッチされている

(A) E2-regulated 遺伝子群のクラス別に、ERα 結合部位を TSS 付近に持つ遺伝子の割合を示す

 → 40 min Max の遺伝子群で約 50%と最も高い enrichment が見られる

(B) 40 min Max の遺伝子群をさらに Transcript Class で類別(Annotated, Antisense, etc...)した場合の

 それぞれのクラスでの enrichment

(担当:山本)