2010年2月 8日

インテグリン受容体と三量体型Gα13が直接相互作用して細胞接着機能を制御する

LSBM客員教授 の小笹徹博士 がイリノイ大学薬理学のXiaoping Du博士との共同研究で、インテグリン受容体と三量体型Gα13が直接相互作用して細胞接着機能を制御することを明らかにし、その成果をサイエンス誌に報告しました。

細胞接着因子受容体のインテグリンは、血小板凝集、創傷治癒、あるいは癌転移など多様な生理機能に重要な役割を持つことが知られていますが、そのシグナル伝達の分子機構は未だ不明です。 本研究ではGα13の発現低下した血小板細胞や精製Gα13タンパク質を用いた実験を行い、インテグリンがその細胞内ドメインを介してGα13と直接相互作用して細胞骨格制御に重要なRhoAの活性化を調節し、その結果細胞接着能を制御していることを示しました。

今回の結果は、インテグリンのシグナル伝達の分子機構の理解を進めるだけでなく、Gα13の新たな機能の発見として意義があります。また、Gα13に共役するからのシグナルとインテグリンからのシグナルのクロストークの分子機構をはじめて明らかにした点でも重要と考えます。

Gong H, Shen B, Flevaris P, Chow C, Lam SC, Voyno-Yasenetskaya TA, Kozasa T, Du X.
G protein subunit Galpha13 binds to integrin alphaIIbbeta3 and mediates integrin "outside-in" signaling.
Science. 2010 Jan 15;327(5963):340-3.

PubMed
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