2009年11月25日

Intronic enhancers coordinate epithelial-specific looping of the active CFTR locus

Intronic enhancers coordinate epithelial-specific
looping of the active CFTR locus
Christopher J. Otta, Neil P. Blackledgea,1,2, Jenny L. Kerschnera,1, Shih-Hsing Leira, Gregory E. Crawfordb,
Calvin U. Cottonc, and Ann Harrisa,3

<背景と目的>
筆者らは既に腸管上皮細胞においてCFTR遺伝子内で第1イントロン内にenhancerを報告してきた。また、このサイトにはHNF1が結合してenhancer活性をあげていることも報告している。
今回、新たにDNase hypersensitivity sitesのmapを作ることで新たなenhancer、また細胞特異的なenhancerを同定しようと試みた。

<実験手法>
DNase-chip
3C
ChIP
Reporter

<Fig.1>
DNase-chip
Cell line特異的なDNase hypersensitivity sitesを決定するためにDNase-chipを行った。
6種類の細胞を用いて189kb領域をカバーするtiling arrayで行った。
右側のグラフは相対的なCFTRの発現量を示す。
CFTRが発現していないskin fibroblastではDHSはほとんど検出されなかった。
Intron11と+15.6kb領域に共通したDHSが認められ、cell line特異的なDHSも検出された。

<Fig.2>
3C-qPCR
CFTRの遺伝子座に関して3C-qPCRを行った。Color barはDHSを示す。
Promoter部分をanchorとするprimer setを作成(それぞれDHS regionを含むHindIII fragment)
結果
CFTRが発現していないskin fibroblastではchromatin conformationを形成していない
これに対して、大腸がんのcell lineであるCaCO2とHT29、精巣上体であるEpididymis、気道上皮であるNHBEにおいては11intronと3'領域がpromoterと近接していることが示された。
11 intronとpromoterとの相互作用が最も強かったのはCaCO2であった。
様々なDHSに関して検討を行ったが、11 intronと3'region以外では近接関係は認められなかった。

<Fig.3>
CaCO2細胞を用いたluciferase reporter assay
既に報告のある1 intronをポジコン、10 intronをネガコンとして、11 intronと3' regionがenhancer活性があるかどうか確かめた。
方向に関係なく、11 intronには非常に強いenhancer活性があった。
3' regionには活性がなかった。

これら1 intronと11 intronと3' regionを組み合わせるとそれぞれ活性が上昇した。3つを組み合わせた時が最も活性が高かった。

<Fig.4>
ChIP-qPCR
CaCO2細胞を用いたHNF1とp300のChIP-qPCR
CFTR遺伝子座の様々なDHSにおいてChIP-qPCRを行うと、既に報告のあるI intronと今回見つけた11 intron領域においてHNF1とp300が共局在していた。
また、もうひとつのenhancer領域である3' regionではp300のみが濃縮されていた

<結論>
・    細胞特異的なDHSが存在する
・    CaCO2細胞においてはCFTR遺伝子内にenhancerがいくつか存在する
・    第1イントロン、第11イントロン、3'下流域
・    3Cを行うと、第11イントロンとpromoterは近接関係にある
・    Reporter assayを行うと、第11イントロンは既報の第1イントロンよりもはるかに活性が高かった
・    第11イントロンにはHNF1とp300が結合していた