2009年11月25日

An RNA code for the FOX2 splicing regulator revealed by mapping RNA-protein interactions in stem cells.

An RNA code for the FOX2 splicing regulator revealed by mapping RNA-protein interactions in stem cells.

Yeo GW, Coufal NG, Liang TY, Peng GE, Fu XD, Gage FH.

Nat Struct Mol Biol. 2009 Feb;16(2):130-7. Epub 2009 Jan 11.

 

スプライシング因子であるFOXタンパク質の結合motifはGCAUGであり、ES細胞のオルタナティブエクソンの近傍にエンリッチされている。FOX1はES細胞に発現していないが、FOX2はES細胞に高発現しており、今回CLIP-seqを用いてヒトES細胞におけるFOX2の結合部位をゲノムワイドに同定した。

・FOX2のターゲットとしてヒト遺伝子の7%に当たる数千のRNAを同定した。

・FOX2結合部位はオルタナティブスプライシング部位の近傍で、種間で保存された部位にエンリッチされていた。(Fig.2、Fig.3)

・FOX2はオルタナティブエクソンのupstreamに結合するとexon exclusion(skip)に、オルタナティブエクソンのdowmstreamに結合するとexon inclusionに作用する傾向がある。(Fig.4)

・hESCsとfetal nueral stem cellsでは、FOX2によるターゲットのスプライシングパターンが異なり、細胞のcontextによってFOX2の働きが異なる。(Supp. Fig.7、Fig.5)

・FOX2のターゲットには多くのスプライシングファクターが含まれており、FOX2がスプライシングファクターの上流として作用している可能性がある。(Supp. Table1)

 

(Fig.1) CLIP-seqとはcross-linking immunopreciitation clupled with high-throughput sequencingのことで、UVによりタンパクと核酸をクロスリンクし、RNAを扱いやすい50-100ntに切断してから免疫沈降後、RNA-タンパク複合体をSDS-PAGEにより分離(目的のタンパクを分子量で分離)し、ニトロセルロース膜にトランスファー(タンパクに結合しているRNAだけを分離、非特異を除去)し、膜からRNAを回収してシークエンスする方法である。

 

Splicing factor SFRS1 recognizes a functionally diverse landscape of RNA transcripts.

Sanford JR, Wang X, Mort M, Vanduyn N, Cooper DN, Mooney SD, Edenberg HJ, Liu Y.

Genome Res. 2009 Mar;19(3):381-94. Epub 2008 Dec 30.

 

 SRタンパクであるSFRS1(ASF/SF2)のCLIP-seqをHEKを用いて行った。

・SFRS1のconsenseu motif (GAAGAA)を同定(Fig.2)。

・SFRS1の結合部位の73%はprotein coding gene, 26%はncRNA(Fig.3)

・ターゲットRNAはRNA processingに関わる遺伝子が多い(Fig.4)

・consensus配列はSFRS1結合exonに濃縮されている(Fig.6)。

・結合部位のlocationはexon-intron境界の20-41塩基のところに多い(Fig.7)。

・遺伝疾患におけるmutation部位がSFRS1結合配列の欠失であるものをHGMD(Human Gene Mutation Database)により同定(Fig.8)。