2009年8月25日

CTCF: Master Weaver of the Genome

Cell 135, June 26, 2009 (1194-1211)
CTCF: Master Weaver of the Genome
Jennifer E. Phillips et al.
ゲノムワイドな解析により分ってきた文脈の推定機構における transcriptional activation/repression,
insulation、imprinting、X chromosome inactivation などのCTCFの役割を支持するデータを再考し、
また発生的に制御されている遺伝子領域において染色体内、染色体間の部分的な接触にCTCFが介在すると
いう証拠をハイライトして行く。これらの解析はクロマチン構造というグローバルな組織でのCFCTの主要
な役割を支持している。また、DNAメチレーション、高次元なクロマチン構造と細胞の分化系列特異的な遺
伝子発現との関係を制御しているepigenetic systemの構成要素としてCTCFは継承的であるということを
示唆している。
10 nm nucleosomal fiber が昔はキーワードでありリニアな世界で物事を考えてきたが、新しい実験結果
やイメージング技術の発達により核内でのクロマチンの3次元構造が重要でることが分ってきた。
クロマチンループ構造の再考察を行う。
Figure 1. CtCF Organizes Chromatin Contacts at an Imprinted Locus
A、Bは2次元的な考え
Paternal allele (ICR部分はメチル化されていない為にCTCFがバインディング): Igf2 geneが発現
Maternal allele(ICR部分はメチル化されている): H19 geneが発現
C、Dは3Cによる実験結果を踏まえた3次元的な考え
Paternal allele では組織特異的なエンハンサーによりIgf2が発現する。
Maternal alleleではCTCFがICR結合することにより重合し合いクロマチンのループ構造を形成し、エンハ
ンサー部分がH19遺伝子に接近できる。
【略語】ICR: imprinting control region
Figure 2. Cell Type-Specific Intra-chromosomal Interactions at a Developmentally
Regulated Locus
Aはマウスβグロビンローカスの全体像
B-Dは3Cをベースにした3次元的な考え。CTCFが介在し細胞特異的に構造を形成している。
【略語】HSs: DNase I-hypersensitive sites
Figure 3. An inducible Chromatin Loop
サイトカインに誘導されてループ構造を形成する例。
XL9はHLA-DRB1とHLA-DQA1の間にあり、CTCFが結合するが両遺伝子は活性化されない。
IFNγの刺激により、coactivator であるCIITAがRFXコンプレックスに結合、さらにCIITAにCTCFが結合
することによりクロマチン内構造変化が起こりエンハンサーエレメントであるXL9がプロモーター領域に接
近することでHLA-DRB1とHLA-DQA1の転写が活性化される。
Figure 4. Potential Classes of CTCF-Mediated Contacts
A-F: 実験的に分っているCTCFが介在するクロマチンの接触
G-L: 仮説によるCTCFが介在するクロマチンの接触
Figure 5. Possible Mechanisms for Developmentally Regulated Loop Formation
発生的に制御されているループ構造の形成
Figure 6. Possible Mechanisms for Epigenetic Inheritance of CTCF-Mediated Chromatin
Loops
1. General structural contacts -> Housekeeping genes
2. Tissue-specific of developmentally regulated loops -> Lineage-specific gene
3. Imprinted loops -> Monoallelically expressed gene