2008年4月24日

パースペクティブ ポリメレースのポージングでの転写制御

Transcription Regulation through Pausing
Leighton J Core and John T Lis Science 2008 319 1791-2

ポリメレースIIはショウジョウバエやほ乳類の遺伝子でTSSの20?50塩基のところで停止していることが報告されてきた。Promoter-ProximalPausingプロモーター近傍休止とよばれる。

最初の10?15のフォスフォディエステル結合のあとヘリケースが安定的にDNAを開いてクロマチン構造がほどかれていく必要がある。

ポリメレースのプロモーターへのリクルートは転写の第一段階である。最近のハエゃヒトでのゲノムワイドの探索で、20?30%の遺伝子はポリメレースがす でに多い。しかしその中には発現が少ないかないものもある。この場合、結合以降が律速段階である。発現の多い遺伝子でもポーズの見られるものがある。試験 管内ではポリメレースは補助装置なしでも伸張を行う。しかしフルスピードのRNA合成には、DSIF(DRB sensitivity elongation factor)とNELF(nagative elongation factor)による安定化が必要と考えられている。

プロモーター近傍へのポリメレースのエントリーとエスケープの量が重要である。ショウジョウバエのHSP70では、GAGA因子が効果的な休止に必要であ る。このたまったポリメレースが次の因子による活性化に有用である。このエスケープに重要なのはpTEFb(positive transcriptionfactor b)とよばれるキナーゼである。この因子はポリメレースII、NELF, DSIFなど多数の転写複合体タンパク質をリン酸化し、NELFがはずれてDSIFは残る。

休止の間にmRNAのキャッピングがおこり、ポリメレースのリン酸化が進む。遺伝子の中では、発生や細胞のシグナリングに迅速に反応するところでの休止がよく見られる。